「北朝鮮は軍事強国だ」
北朝鮮政権はこの10余年、世界中でこのようなイメージ作りに大成功した。
国営テレビを通じて世界に配信される人民軍の映像といえば、ロケット発射実験、軍事パレード、大量の戦車や大砲を動員した火砲訓練といった勇ましいものばかり。「ソウルを火の海にする」「核先制攻撃も辞さない」などの激烈な声明が、「軍事強国」演出の効果を増す。
<北朝鮮写真報告>兵隊は辛いよ 記事一覧
![市場で買い物をする痩せた軍人は将校だった。2013年8月両江道恵山市にて撮影(アジアプレス)](https://www.asiapress.org/apn/wp-content/uploads/2016/07/201308NK_hyesan_d_kx.jpg)
日本のテレビも、繰り返しこれら「北朝鮮政権提供」の映像を使い回してきた。また、平壌で軍事パレードが行われる時には、北朝鮮当局は、普段めった に許可しない外国メディアを招いて取材させるが、「独自映像」を撮りたいテレビ局は駆けつけていく。撮影できるものは、もはや定番になっている一糸乱れぬ 数万の兵士行進や、自慢のミサイルなどだ。
これらのシーンは、北朝鮮当局が世界に見せたい、見てもらいたいものである。だから外国テレビ局を呼んで撮影させる。テレビメディアは金正恩政権の「軍事強国」のイメージ作りに「貢献」してきたと言える。
![河川敷の公園で休憩時間に力なく寝そべる兵士たち。2006年8月清津市にてリ・ジュン撮影(アジアプレス)](https://www.asiapress.org/apn/wp-content/uploads/2016/07/Clip0021.jpg)
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