◆102万個超の最大販売品から
355万個超の自主回収が公表されたニトリの珪藻土バスマットなどの製品から最大で基準の15倍に当たるアスベスト(石綿)を検出していたことが明らかになった。(井部正之)

アスベストを1.5%検出したニトリのバスマット(右)。同じく0.9%検出したバスマット(左)。同社発表資料より

◆最大で規制の15倍

同社がバスマットやコースターの自主回収に踏み切ったのは、アスベストの有無を調べる定性分析で労働安全衛生法(安衛法)の基準を超える重量比0.1%超を検出したからだ。

2020年11月27日に大阪府貝塚市のふるさと納税返礼品に採用されていた堀木工所(同市)製造のバスマットからアスベストが検出されたことが発覚したのを受け、ニトリでも珪藻土製品を分析委託した。当初同社はコースターの1つにアスベストが含まれていたとして2020年12月18日に自主回収を発表。ところがその後次々と発覚し、同25日までに2016年12月4日から2020年12月16日まで販売していた計18製品へのアスベスト含有が公表された。さらに検出はなかったが同一工場で製造された5製品を加えた計23製品355万個超まで回収対象が拡大することになった。

今回明らかになったのは、定量分析により、どのくらいの含有率でアスベストが製品に含まれていたのかを調べたもの。いずれも外部の分析機関(会社名非公表)に依頼して実施している。

厚生労働省化学物質対策課によれば、18製品におけるアスベストの検出は0.2%から1.5%だったと同社から2020年12月28日に報告を受けたという。

最大濃度を検出したのは、同社で計102万4273個と、もっとも販売数が多い「カイテキサラサラバスマット40×55」で、基準の15倍に当たる含有率1.5%だった。

また次いで70万3435個売り上げた「カイテキサラサラバスマット29×39 IV」は含有率0.9%とやはり基準を大幅に超えていた。

逆にもっとも低濃度だったのは猫型の「サラサラコースターネコ」(販売数5万2054個)で含有率0.2%という。

ただしコースターだからといって低濃度というわけではなく、1.1%のものもあったという。

同省は「おおむね1%前後で検出していた」と明かす。

安衛法で定めた0.1%の基準の10倍前後を検出したことになるが、同省によれば、原因は「(同社の)調査中」で報告されていない。徹底した原因究明を期待したい。

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