「日本だけでも本気で制裁すれば、北朝鮮は遠くない将来に崩壊するのは必至です」(石原慎太郎東京都知事の談話。雑誌「諸君」03年7月号)。
「北朝鮮への我が国からのカネ、もの、人が止まれば、政権の運営ができない。よって、我が国が、北朝鮮の恫喝には断じて屈しないとの覚悟のもとで、以上の法案の発動すれば、北朝鮮の独裁政権は、今年中にも崩壊する。その時始めて(ママ)、拉致の被害者は、救出される」(西村眞悟民主党議員のHPから抜粋)
朝鮮半島情勢に対する一知半解ぶりが、経済制裁発動→北朝鮮崩壊→拉致問題解決という短絡で無責任な扇動発言になっている。

◆「出入国管理法改正案」(再入国禁止法案)はトンデモ法案
そして、その西村眞吾議員(拉致議連幹事長)が作成したのが「出入国管理法改正案」(再入国禁止法案)というトンデモ法案だ。条文の重要部分のみを記しておく。
◆法務大臣は、特別永住者で次の各号のいずれかに該当するものに対しては、入管法第 二十六条第
一項の規定による再入国の許可を与えない。

一 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て若しくは主張する団体を結成し、若しくはこれに加入している者
二 前号に規定する団体の目的を達するため、印刷物、映画その他の文書図画を作成 し、頒布し、又は展示することを企てる者
三 前二号に掲げる者を除くほか、法務大臣において日本国の利益又は公安を害する 行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

思想、信条、表現、集会、結社の自由を否定し、かつ在日朝鮮人に標的を絞って日本に住む権利を奪おうという「人種差別法案」だと言っていい。拉致という人道に対する犯罪を解決するという名目で、このような「反人道的法案」が作成され、おまけに超党派の拉致議連がこの法案を了承している。民主主義を否定するこの議員たちにはあきれるほかない。彼らは拉致を声高に叫びながらも、問題を本気で解決するつもりはなく、他の政治目的に問題を利用しようとしていると考えざるを得ない。
七月には参院選挙がある。票目当て、手柄目当てと思われる、政治家たちの「勇ましい言動」に惑わされてはならない。
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