2002年3月、キリスト教徒のパレスチナ人が住む町ベイト・ジャラにイスラエル軍の戦車が入った。
パレスチナ自治区であるこの町に戦車が入ったのは昨年の8月以来3度目だ。
ベイト・ジャラにすむパレスチナ人大学生メラ(19歳)は、イスラエルとパレスチナの若者がワークキャンプに参加する平和グループ「シーズ・オブ・ピース」の<塔oーだ。
しかし2000年9月から、パレスチナ人による抵抗運動が始まり、パレスチナ人による自爆攻撃や、イスラエル軍の空爆などで、両者の間に多くの死者が出ている。以来、ワーク・キャンプには、パレスチナ人たちが参加することはない。
メラの住む町のすぐそばに、イスラエルの入植地ギロがある。抵抗運動が始まってから、両者の間では激しい銃撃戦やイスラエル軍からの砲撃が繰り返されてきた。
メラは1999年のワーク・キャンプで、ギロにすむイスラエルの高校生アミット(17歳)に出会った。
「ワーク・キャンプで、私は自分たちよりも苦しんでいるパレスチナ人たちのことを知った。でも、パレスチナ人とはもう1年以上も会っていない」とアミットは話す。
和平で芽生えたパレスチナ人とイスラエルの若者の心が再び重なり合うのはいつの日のことだろう。