総統選2連敗、「選挙無効」抗争の不人気、そして正副主席の対立を背景に、中国国民党は動揺し続け、とつじょ財政窮乏を理由に党職員の75%を首切ると宣言したりする。職員のほうは、連戦主席のほうこそ責任をとってやめるべきだと息巻いている。当たり前である。

中国国民党が台湾で生き残るためには、本来なら、解党的決意が必要だ。が、それは相当に複雑な工事が前提となろう。国民党は、「党=国=軍」を前提に作られ、機能してきた政党である。中華民国の国旗にも軍隊の徽章にも党のマークが入っている。

国歌ももとは党歌だと言われている。党の財産も国民の財産も区別がつかない。総統府前にそそりたつ党本部ビルまでもが国に返還するように迫られている有様だ。このような党が存在していること自体が台湾民主主義の汚点なのであるが、この党の解体は、虚構の中華民国の解体に波及する。

党改革をいったいどこからどう手をつけるか、まずは年末の国会議員選挙の結果待ちの気配である。このままでは、国民の厳しい審判が下されかねない。
市民は揺れ続ける党本部を複雑な思いで見やりながら出勤を急いでいる。
(04年5月12日)

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