玉本英子が取材現場から送る日誌。現在イラクで取材中
2006年2月13日 <「この程度じゃ驚かないね」イギリス軍虐待映像>
イギリス軍兵士たちが、イラク人少年3人を捕まえ殴り倒す。隠し撮りされた虐待映像は、昨日こちらでも放送された。イラクのテレビ局は、小さなニュース扱いだったが、アラブ系衛星テレビ、アル・ジャジーラ、アル・アラビアは、大きく報じた。

「虐待」といえば、2004年に起きたアブグレイブ収容所での米軍兵士によるイラク人収容者への虐待事件。一連の虐待行為のなかには収容者を裸にし、犬をけしかけるなど、イラク人の誇りを傷つけ、怒りをかった。今回も怒りは高まるのだろうか。
「米軍が市民に暴力を振るうなんて、ここでは日常茶飯事。今回は英軍で、たまたまビデオに撮られただけ」

「かわいそうだと思うけど、この程度じゃ驚かないね」
バグダッドではそういう反応がでている。意外に冷めた意見だった。
毎日、ニュースで流れる「今日、自爆攻撃で、○○人死亡」。
自爆、米軍、治安部隊、武装勢力。暴力ばかりが続く毎日。誰もが、そんな日常に慣れきってしまった。人びとの心に光が差し込むのはいつのことだろうか。

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