小泉さんが総裁を辞す時、陳水扁総統がその業績を称えるコメントを発表していたから、そのせいかもしれない。孤立無援の総統は、中国とけんかしている日本の首相に喝采を送って支援を求めたのであろう。台湾高速鉄道(新幹線)の開通式に招待したいとまで言った。台湾の一部勢力は、日本を反中統一戦線に引きずり込むために必死である。ヤスクニでも新幹線でもなんでも受け入れてしまう。最近はリニモも欲しいと言い出している。
話は変わるが、安部さんの当選が決まったとき、安部さんもヤスクニに行くの?と苦笑交じりにきかれた。小泉さんが終戦の日に参拝した時は、苦笑というより嘲笑という感じだった。どうせ文句言われるから、この日に参りましたと小泉さんは言った。まるでだだっ子である。
一国のリーダーが、祖国敗戦の記念日に、お国のために一命を捧げた人たちを慰霊するために、アジアの平和のために、意地を張って、こだわり、やりぬかねばならないことはこんなことだったのか・・・抗議するのもあほらしい。周辺諸国民の反応は冷笑というか嘲笑だったのではないか。
こそこそ奇襲のように参拝するぐらいだったら、どうして堂々と参拝できる環境をつくらないのか、不思議でならない。小国民根性が染み付いているとしか思えない。このような人たちがリーダーでは、外国に住んでいる我々は日本人に生まれた誇りなどもちようがないではないか。
そもそも約束を破るほど恥ずかしいことはない。敗戦のとき、独立のとき、そもそも日本は諸外国とどのような約束を交わしたのか、それを反故にしてもいいよというのは、残念ながらこっちからは言えない立場にある。それが信義というものであり、品格というものである。
陳水扁総統は毎日何をしているのだろうか。もう何ヶ月(あるいは何年?)も総統府はほとんど機能していない。それでも、台湾市民の生活に何の支障もないのであるから、さいきんはもともと総統など要らないのではないかと、議院内閣制を持ち出す人まで出てきた。なるほど。
しいて彼を弁護するなら、民進党政権は最近重要な仕事をした。中正国際空港を桃園国際空港に名称を改めたのである。これは総統府の正面から「介寿館」の看板を下ろしたことと併せて陳総統在任中の最重要成果の一つとなろう。
このまま座り込みが続くと、10月10日の国慶日にひっかかってくる。その日の行事を中止する可能性も取り沙汰されている。もともと辛亥革命と台湾とは何の縁もゆかりもない。これを機会に廃止するという手も実際十分ありうる。