【同胞の高麗人に宣教活動をする韓国の教会メンバー。現地では歓迎する人がいる一方、その熱心さに当惑する人も少なくない(ロシア沿海州・ウスリスク市で)】
海外”進出”する韓国の教会 (その2)
なぜ韓国の教会は熱心に海外へ宣教に向かうようになったのだろうか。
教会の在り方を改革しようと02年設立された韓国教会改革実践連帯の鄭雲亨(チョン・ウンヒョン)事務局長は、その理由を次のように言う。
「韓国の教会では、80年代から宣教ブームが起こり、教会間の競争が激しくなった。また国内にはすでに約800万人の信者と5万ヶ所以上の教会が存在している。国内宣教が飽和状態になったのも海外布教が活発になった」
センムル教会は、他の教会の国外での無分別な宣教活動には批判的だった。それでも無理な海外活動を展開して事件に巻き込まれた。
「海外活動の前にしっかりした準備もせず、信仰の質を深めるより信者の数を増やすことに比重を置いてきた韓国の教会は、今回の事件を機に宣教の質を問われることになった。教会は反省して成熟していくべきだ」
と鄭事務局長は語る。
アフガンの事件は、安全配慮を怠ったセンムル教会の問題と捉えるのではなく、宣教に競争を持ち込んできた教会全体の問題として考えなければならない。
一方で、困難に直面する人びとや貧しい人びとに手を差し伸べたいという思いそのものが否定されるようであってはならない。韓国の教会は、この事件を機に、活動と支援のありかたをきちんと見つめなおすべきだろう。
(続く)