ジャーナリスト長井健司さんの死を悼む

アジアプレス・ネットワーク編集長
アジアプレス大阪事務所代表 石丸次郎
映像ジャーナリストの長井健司さんが、9月27日、ビルマ(ミャンマー)ヤンゴン市内で市民と僧侶のデモンストレーションを取材中に、ビルマ治安当局の発砲により死亡したことが、日本外務省、ビルマ国営テレビなどの報道で確認された。

私は、同じジャーナリストとして、取材現場で銃弾に倒れた長井さんの死を悼むとともに、亡くなられた長井さんのご家族に心よりお悔やみ申し上げたいと思います。
毎日新聞の報道によれば
「ミャンマー国営テレビは同日夜、日本人1人を含む9人が死亡したと認め、『デモ隊の頭上に威嚇発砲したが、群集に紛れていた日本人が犠牲になった』と述べ、危害を加える意図はなかったと主張した」という。

ビルマ軍事政権当局は、市民と仏教僧侶たちの平和的なデモを鎮圧するために発砲し、取材中だった長井さんを死亡させたことを認めたわけだ。
圧倒的多数のビルマ国民の民主化要求を踏みにじり、文字通りの軍事独裁、鉄拳政治を続けるタン・シュエ政権に対し、この度の強圧的なデモ鎮圧とジャーナリスト長井さん殺害に対して、心からの怒りと抗議を表明する。タン・シュエ政権は直ちにデモ鎮圧をやめ、民主化の進展のために国民民主連盟(NLD)はじめとする民主化要求勢力と話し合いに入るべきである。

一方日本政府は、1990年に実施された民主選挙の結果を受け入れず、国民の民主化要求を強圧的に踏みにじり、アウンサン・スー・チー女史の軟禁し続けてきた歴代軍事政権を積極的に支えてきた。
日本政府は、軍事独裁政権による民主化弾圧への加担を、ずっと批判され続けてきた。

今からでも遅くない。日本政府は軍事独裁政権支援をやめなければならない。
長井健司さんは国際ニュースの現場で撮影記者として長年活動されてきた。
北朝鮮関連の取材もされており、私も何度か取材現場で一緒になったことがある。非常に精力的に動く方だという印象が強く残っている。

長井さんと契約していたAPF通信社の山路徹社長によれば、誰も行かない所に誰かが行かなければならない、が長井さんの口癖だったという。
それを実践して長井さんが亡くなったことに胸が痛む。
あらためて、長井さんのご冥福を祈ります。
2007年9月28日

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