【「がんばろう」で散会】
前掲の仲里先生は、「今度のことは、安部内閣が出てきて、まもなくおこったんです。偶発的なものじゃなくて、一連のものだと思うんです。一つの流れじゃないですか」という。
確かに、今回の事件はよい方向でいったんは解決されるかもしれない。しかし日本に軍隊を再構築して、海外に進出させたいと思っている人たちは、あらゆる努力を続けていくことだろう。気をつけなければならないことは正確な証言と記録を残し、伝えていくことであろう。
同じく南風原から参加したある県職員は、「この暑い中、大勢のお年寄りが杖をついて参加している。そこに価値があると思う」と語る。そういう彼女も、78歳のお父さんを伴って参加した。そのお父上も元教師。決して健康とはいえない身体だが、何の躊躇もなく参加したという。
壇上の発言者が繰り返し言っていた。「沖縄戦の教訓はなにか。それは、軍隊は住民を守らない、ということ」。この2日前にも、ヤンゴンでミャンマー軍が住民に銃口を向け、引き金を引いていたことを想起せざるをえない。沖縄の人たちはじかに日本の軍隊を体験した人たちだともいえる(本土の人間は案外、軍隊との接触が少ない)。
だからこそ彼らの証言は貴重だ。さきほどの仲里先生が最後にこう言った。「これは日本全国民の問題なんです」。■
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