いったい軍政の壁を突き破る突破口はあるのだろうか・・・このような抗議行動をしても意味はあるのだろうか。決して消化されない怒りをどのような形でぶつければ良いのか━━。
ビルマ大使館の前に立つビルマ人たちの多くは、そのような重い問いを胸の中で繰り返していたにちがいない。
ただ、私たち日本人にできることはある。日本政府のビルマ政策の変更を迫ることである。たびたび指摘されてきたが、日本政府はビルマ軍政へ最大の理解を示してきた。歴代の駐ビルマ大使の言動を見れば、そのことは一目瞭然である。
「スー・チー女史が『希望の星』という『ミャンマー報道』は間違っている」(週刊新潮10月11日号)という見出しの記事の中で、「違法デモを行った者を逮捕するのは、法治国家としては当たり前のこと」「現在のミャンマー国民の大半は、軍事政権を容認し、命をかけてまで反政府運動を行おうとするものなど、ほとんどいないのです」と今もって軍事政権を全面擁護する山口洋一元ビルマ大使などは、理解不能である。事実をまったく見るつもりがない。日本政府はこのような人物を何千万円もの税金を払ってビルマ大使としてきた。ほんとうに恥ずかしい。
ビルマのことはビルマの人々が決めることだが、いまのビルマの状況に対して日本の国と国民は明らかに責任がある。ビルマの人々の怒りの刃は、私たち一人ひとりにも向けられていることを確認したい。
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