【イトゥタ難民キャンプに向かう途中、ビルマとタイの国境線であるサルウィン河を警備するビルマ軍兵士に遭遇する】
KNUの軍事部門であるKNLAの総司令官でもあったボーミャ元議長とは、これまで何度も面会したことがあった。
西山氏とは懇意にしていた私は、彼の死後、元議長に西山氏の両親への追悼文を書いてもらったこともある。
元議長と話をしながら、ビルマの現状や厭戦気分の広がるカレンの人の話になったことがある。
つい、口を滑らして元議長に、KNUの武装抵抗の方針に対し、少々批判的な事を言ってしまった。
そのとたん将軍は烈火のごとく怒りだし、ビルマ軍事政権に援助を続ける日本政府やそれに無関心な日本人のことを痛烈に非難し始めた。
柔和な表情から一瞬にして元議長の形相が変わった。
その形相に恐怖を感じたことを思い出した。
~続く~
1 2