平壌は、雨もそれほどひどくなく、大きな被害はありませんでした。
陽徳、信陽のほうから来た雨水が、平壌を通って流れたぐらいですね。

シム:つまり、大同江上流のほうが被害が大きかったということだな。
ええっと、平壌、それから江東、つぎが成川、信陽、陽徳、遡っていくと、こうなるよな? だからここ陽徳と信陽の被害が一番大きかった。
陽徳では一つの村の40世帯が流されてしまったということだな?
オ同志:それはフィチャンのことだそうです。

シム:フィチャン?
オ同志:フィチャンだそうです。江東からこっち、そしてこっちが信陽、陽徳です。
江東も私の住む郡の所在地が被害にあって、真ん中の方は雨がほとんど降りもしなかったんです。

シム:平壌に近い方は水害がなかったのか?
オ同志:あの60年代の時のような、ここがうちの町だとしたら、こっちは被害がなくて、そっちの平南道側の成川、長林、信陽、陽徳、フィチャン、ここに被害があったんです。

シム:楕円形のように被害があったんだな!
オ同志:江原道一帯は雨が降らなかったんですね?

シム:そうそう。金剛郡は被害があったんだって?
オ同志:はい、金剛郡も、それから平安道の方もらしいです。

シム:鉄道がすっかり流されてしまったそうだが、復旧が心配だな。
オ同志:少なくとも復旧には2か月はゆうにかかるって、みんなそう言ってます。
国家計画に入れないと。地方の力ではとても不可能ですからね。全国的に支援して、青年突撃隊(注1)とか組織して派遣されるでしょう。
取材 シム・ウィチョン(沈義川)
つづく

注1  労働傘下の青年組織である「金日成主義労働青年同盟」が組織運営する建設部隊。半軍事的組織であり、またの名を「速度戦青年突撃隊」と言う。経済団体でもない青年同盟が大建設会社のような機能を果たしているのは、何よりもこの部隊を持っているからである。水害などの復旧作業にもこの部隊が投入される。

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