公設市場の外では、女性たちが何やら紙切れをかざしてずらりと座っている。
廃品や中古品の買い取りをしているという。
一人の女性が手に持っている紙には
「古バッテリー、錫、銅、TV 要求」
と書かれている
「何かありませんか」と道行く人に声をかける。
回収された金属は、主に中国に輸出されていく。高度成長の続く中国では資源需要が旺盛で、古金属をいい値段で買い取ってくれるのである。
言い換えると、廃品回収して中国に売られていくまでの流通網、マーケットが、北朝鮮の中にできていることを物語っている。
この流通網は、当局が政策的に作ったものではなく、市場経済化か進む中で成立したものだ。
現金を得るために、この女性たちは、自らの意志で廃品回収市場に労働力を売っているのである。
つづく
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