元山市内の市場の様子 2000年10月 安哲撮影
元山市内の市場の様子 2000年10月 安哲撮影

白昼の惨劇
元山市で「帰胞」(在日帰国同胞)家族3人が家に侵入した保衛員(秘密警察官)に白昼堂々殺害された。
2006年8月初旬のある日曜日午前9時ごろ、元山市ヘバン洞「青果商店」アパート5階に4発の銃声が響いた。

事件が起こったアパートはその近くに江原道の道芸術局長が住んでおり、市内のかなりの中心地だった。
住民たちの通報で、保安員(警察官)たちが閉まっているドアをこじ開けて中に入った。
事件現場には絞殺された30代前半の女性の死体と一緒に、それぞれ銃弾を2発ずつ受けて死んでいた9歳の男児と老婆の死体が、むごたらしく横たわっていた。

絞殺された女性はこの家の主人の妹だった。
たまたま家の主人たちは家族旅行に行っていて、代わりに妹が留守を預かるためにやって来ていたのだった。
男児は被害者女性の息子だった。老婆はその女性の実の母親だった。

現場には4発の薬莢がそのままの状態で残っていたが、その型式から見て、犯行に利用された武器は保衛部か人民軍で使われるものであることがすぐに断定された。
犯人はすでに行方をくらませていた。
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