これで台湾の進路がみえるという人と、いやこれからしばらく民進党と中国国民党の政権交代が続く、とみるひとがいる。
私は、双方ともに正しいと思う。政権交代がまだ何回か続くかもしれないが、台湾の進路はほぼ定まると思うのである。
【中正紀念堂のゲート、現在の姿。自由広場に改称されている。】
台湾観光は好調のようだ。最近の日本人観光客の主たる目的は、鼎泰豊(ディンタイフォン)の「小龍包(シャオロンパオ)」であるらしい。確かにうまい。しかしこれは六十年前の台湾にはなかった食べ物。蒋介石とともに、台湾になだれこんできた大陸文化の一つである。
苦節六十年を経て、いまやすっかり台湾最大の名物として定着した。それはまさに外省人が台湾に定着していく歴史そのものでもあった。
そのことを思うと、「小龍包」から滲み出す肉汁には、多くの人々の血と汗がこもっているような気もする。
台湾は、一世紀を経て、「ちりとてちん」の時代から「小龍包」の時代へと変貌したのだ。
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