そうすることで、人民同士の間でぶつかりあうようそそのかし、社会に潜在的な不安定材料を作り出している。
そんな状況に対する人民の強い憎悪の表現が、他でもない「治安隊」という呼び方なのである。
(資料提供 2006年12月 記者ペク・ヒャン 整理:チェ・ジニ)

注1 保安員(警察)ではないにもかかわらず、街角で肖像バッチや服装、持ち物の検査をする。国家の規定に従い「違反者」からは罰金を取ったり、強制労働をさせることもある。主に行政機関や勤労団体(党以外の政治組織および思想教養団体)から派遣される。
注2 郡の行政区域ごとに設置された処罰機関。

注3 朝鮮戦争の時、韓米軍の北上に伴い人民軍が後退した北朝鮮地域に組織された反共民兵組織。北朝鮮ではこの治安隊の虐殺と蛮行を常に想起させることで、「階級敵」の象徴のように語られてきた。ところが先軍政権下になってからは、そのような教育を受けて来た北朝鮮住民の間で、互いの「加害-被害意識」の表現として使われるようになった。

注4 先軍政権下で「非社会主義現象との闘争キャンペーンとして組織・派遣されるグループ」の略語。本来は臨時的性格を帯びていたが、現在ではこの非社グループが国家秩序維持の中心勢力となっている。構成員は軍人、保衛員、保安員、法律官僚、党官僚である。
注5 医療鑑定により、肉体的障害が確認されて除隊した軍服務除籍者

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