お金にまつわる話(上)

※お断り ミャンマー(ビルマ)入国取材の安全を期して、宇田有三氏は「大場玲次」のペーネ  ームを使用していましたが、民主化の進展に伴い危険がなくなりましたので、APN内の記事の署  名を「宇田有三」に統一します。
bd02173apn
【路上の商売人。売り手も買い手も、柿の売り買いの値段交渉に時間をかける】

ラングーン(ヤンゴン)郊外のミンガラドン地区のパゴダ祭りに熱中し、ホテルに帰るのが遅くなった。
時計を見ると、日付が変わって、もう深夜1時過ぎ。

この時間になるとさすがに流しのタクシーを捕まえるのは至難の業だ。
とりあえずサイカー(自転車の横に椅子をつけた乗り物)で、近くのタクシー乗り場まで急ぐ。
日中なら近距離だと200K(1K=チャット=約0.1円)ぐらいの値段だが、やはり夜が遅いと倍以上の600Kをふっかけられた。

ビルマに入った当初はまだ日本の物価感覚が抜けきれず、100Kほどなら口角泡を飛ばして値段交渉するよりも、その煩わしさを省くために相手の言い値を支払っていた。

だが、現地滞在が長くなるにつれ、物価感覚も当地のそれに馴染んで、少しでも安く、と値段交渉するようになっていった。
もっともいくら頑張ったとしても、やはり現地の人と同じ料金は望めない。
今回も外国人料金を含んで400Kで値段が折り合う。

★新着記事