【ビルマ第二の都市マンダレー。中国から輸入される加工品や地元産の農産物が溢れかえり、朝から夕方まで活況を呈する】
タクシーに乗り込む前、やはりこちらも運転手と値段交渉をする。
やはり予想していた通り、ダウンタウンまでの値段はいつもの倍近い7000K。
でも、他にタクシーがないからこの値段で乗るしか仕方ない。
運転手の横にもう1人、別の人が座っている。
これもラングーンの夜間タクシーならよくあること。
「どうして二人乗ってるの?」って聞く。
「タクシー強盗が恐いからね」との返事。
2006年から2007年夏前にかけて、急激な物価高が続いている。
ガソリンは1ガロン3500Kが4300Kまで上がった。
お米も食用油も値上がりし、普通の人の生活は、今まで以上に苦しくなっている。
国営紙ではほとんど伝えられていないが、噂では一般犯罪の増加している。
勤め人の給料は5万K(約5000円)ほど。
マンダレーのホテルで働く30代前半の男性は、1ヶ月2万Kの給料だと聞いた。
路上の物売りで1ヶ月3万Kから4万K。
33歳のサイカーの運転手は日に4000~6000K、五六歳の運転手で3000K稼ぐと直接聞いた。
街の食堂では、数年前まで600Kだった焼き飯や焼きソバが1200Kまで跳ね上がっている。庶民の足であるバスも20Kから50Kに値上がった。
電気の消えたラングーンの下町は薄暗く静かだ。
隣国タイのバンコクの夜とは比べものにならない。
私の乗ったタクシーは幹線道路であるピー道路を北から南に下る。
電気事情の悪いラングーンにあって、ピー道路には、まだ外灯が付いているからなぜかホッとする。
日常生活に、電気のあるなしで安心感が違う。
つづく
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