スーチー氏は、非暴力主義を貫く思想と行動で、1990年にノーベル平和賞を受賞している。
国民に絶大な人気をもつスーチー氏は、ビルマ軍事政権(SPDC=国家平和発展評議会)にとって目の上のたんこぶである。
それゆえ、スーチー氏は現在、2003年9月から3度目の自宅軟禁中である。
過去19年間で11年もの間、事実上囚われの身となっている。
ビルマ国軍の武力を背景に、自由を奪われた彼女の自宅軟禁の状況は、まさにビルマ国内の政治状況や国民の実情をまさに象徴している、ともいえようか。
誕生日のこの日、スーチー氏を慕う人びとや反軍事政権への意思表示する人が、彼女の誕生日を祝おうとしていた。
もちろん彼女の自宅へはアクセスができない。
勢い、スーチー氏が書記長を務めるNLD党の本部に、人びとが集ることになる。
NLDは1990年の総選挙で、485ある全議席のうち392席を、実に8割以上の議席を獲得した。
だが、軍事政権はその選挙の結果を無視したまま、権力を手放そうとしない。
さらに今、前回の選挙結果を反故にして、確実に自らに有利な結果が出るような総選挙の準備をしている。