6月19日の集会(下)
※お断り ミャンマー(ビルマ)入国取材の安全を期して、宇田有三氏は「大場玲次」のペーネ ームを使用していましたが、民主化の進展に伴い危険がなくなりましたので、APN内の記事の署 名を「宇田有三」に統一します。
【雨降る中、NLD本部前に立つ民主化活動の若者たち】
しばらくの間、お米屋さんで雨宿り。
そこで地元の記者3人と一緒になった。
挨拶を交わしてみると、彼らのほとんどは、日本の大手メディアの現地契約社員だった。
手持ちぶたさのまま雨が止むのをじっと待っていた。
すると、お米屋さんの前で車が止まった。
どうやら近所の人がお米を買いに来たらしい。
ハッチバックの車の後ろを開けて、50キロの米袋を積み込んでいる。
よく見ると、お米屋さんの店内でも従業員2人が、大きなふるいに米袋の中身を空けて、籾殻除きに精を出している。
どうやら普段と同じ仕事をしているようだ。
実はNLD本部の真横は家具屋である。
隣で政治的な集まりがあって人だかりがしているのに、その家具屋はそのまま営業している。
ひょっとしたらNLDの関係者と軍政側が衝突して暴力沙汰になるかも知れない(実際5月の集会ではいざこざが起こった)。
それなのに平然と商売をしている。
本当は今日、政治的な緊張があるはずなのに、それが見えない。
そんな状況があることに、その時初めて気づいた。
あるいはNLD本部の近所の人にとっては、人びとの集まりには慣れっこになってしまったのかもしれない。
それにしてもSPDC側もNLD本部前の道を封鎖しないで、いつも通りバスの通行を許している。
バスの窓からは人びとが興味深そうにNLD側の集まりを見ている。
国営紙ではほぼ毎日、NLDを非難しているのに、である。