今回は、平壌市民の素顔の一端をお見せしたいと思う。夕暮れの首都平壌の中心部・楽浪区域のアパート街に、続々と人が集まってきた。その群れは1万人ほどになるか。政府に動員されたわけでも、行事が行われて来ているわけでもない。皆さん、自発的にモノを売り買いするために来ている。何を売っているのか、どんな表情なのか、北朝鮮の官製メディアや、外国メディアの公式取材では絶対に撮れない、平壌市民の素の表情に注目あれ。
平壌のアパート街を密かに歩く (4)
取材 リ・ジュン
解説 石丸次郎
2007年8月下旬撮影
楽浪区域のアパート街。
アパートの入り口に向かってずらりと並ぶ物売りの人の群れ。ごみも散乱している。
映像を見ると、組織だった販売をしているようには見えない。
個人が、めいめいモノを持ち寄って売っているようだ。
縞柄シャツのこの女性は買い物客だろうか、手にビニール袋を持っている。
アパートの入り口に向かう通路の両側の低い塀を、陳列棚のようにして売っている。
青いたらいの中はトウモロコシのようだ。
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