シム:つまり、外国人が来たら見せるためですね。
女性:もちろんです。見せるだけ。それから、国連では注射器は一度使うと捨ててしまうじゃないですか。朝鮮では一度使ったものを、消毒して支給するんです。

それから、国連から支援された薬品も、きちんと配られなかったので視察が来たこともありましたよ。その時は、少しずつ配って、視察の人々が帰ったらまた回収してました。

シム:はあ、そんなことまでするんですか?
女性:幹部たちが使うの分ならば、たとえばもし私が院長だとしたら、院長のサインで、今日はどの薬をいくら分、アモクリシリン(抗生剤の名前)いくらと、いくらでもあげることができます。

シム:いやあ、爆発事故だというのににひどい。他の支援物資もたくさん来ましたか?
女性:町の中心にはたくさん入って来ましたよ。事故の前よりも良くなったぐらい。中心では、貧しい人たちもいい家をもらったそうですよ。
(おわり)

(資料提供:シム・ウィチョン 整理:チェ:ジニ)
注1 抗生物質を服用する場合、肝臓を痛めやすいのでビタミン剤を飲めばよいと、北朝鮮では言われている。
注2 ここでは上部機関から来た検閲者を指す。
注3 病院では水道がまともに出ないため、洗濯どころか入院患者の飯を炊く水さえ事欠く状態である。さらに洗濯せっけんの供給は、とっくの昔に中断しており、病院内の洗濯施設は廃棄され、洗濯係の職員は存在しなくなってしまっている。これが北朝鮮の一般的な病院の事情である。

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