村の人が畑を耕しているのかなと思った。
だがその姿が普通の農民でないことに、すぐに気づく。
働いている人全員が、上下とも白い服装だったからだ。
土埃を被って汚れているが、木綿の白いシャツに白いロンジーだ。
彼らの服装を見て、思い出した。
あっ、そうか、彼らは囚人なんだな。
以前、白装束で働いている囚人の姿を遠目ではあるが望遠レンズで撮影済みだった。
だから今回、彼らの姿を見てもそう驚かなかった。
一瞬、写真を撮ろうかな、という考えが頭をよぎった。
だが、ここ敢えて、写真を撮るという危険な行為を冒さなくてもいいだろう。
バイクは囚人の横を通り過ぎた。
その際、ちらっと目に入った光景を見てびっくり。
囚人の1人の足に、足枷が付いていたのだ。
慌てて後ろを振り向き、もう一度確認する。
間違いなかった。
写真を撮るか? 一瞬迷う。