その夜、ゲストハウスのベッドで眠ることのできない時間を過ごすことになった。
明日、バイクを借りて、1人で囚人の働いていた所に行って写真を撮ってみるか。
いや、それはあまりにも危険だ。

もし拘束されたらどうする。
おそらく厳しい身分調査があり、パスポートを調べられることはもちろん、はっきりと写真を撮られ、次回の入国ビザを取得することができなくなる恐れがある。
そうなればその時、この1年計画のビルマ取材もそこで終わりとなる。
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【ビルマとタイの国境にオフィスを持つ政治囚支援協会(AAPP=Assistance Association for Political Prisoners)には、現在囚われの身の政治犯の顔写真が一枚一枚張られている(含釈放)。またAAPPのウエブサイト(http://www.aappb.org/index.php)のデータ欄には、現在の全ての政治囚の名前・適用法・刑期・所属・刑務所名などが公表されている】
いや、それでも危険を冒す価値はあるかも知れない。

噂で聞いていただけの足枷の囚人の姿をキチンと写真に撮って伝え、記録に残すのも大切な仕事だ。
それに拘束されたとしても、法律違反をしていない外国人に対して、まさか拷問はないだろう。
まあ国外退去がいいところ。

そう、現地のビルマ人なら数年間の投獄を覚悟しなければならない行動も、外国人なら許される。
そう今は、外国人しかできないことをするのも重要なことだ。
さて、どうすればいいのか。
朝4時頃、気づかぬうちに寝入るまで、逡巡の思いが頭の中を離れなかった。
~つづく~

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