多様な民族のすがた(上)
※お断り ミャンマー(ビルマ)入国取材の安全を期して、宇田有三氏は「大場玲次」のペーネ ームを使用していましたが、民主化の進展に伴い危険がなくなりましたので、APN内の記事の署 名を「宇田有三」に統一します。
【写真:「ピグミー(身長100cm~130cm)」でもあるタロン民族のクルーテッェさん(ラワン語の通名はダウェ、推定55歳)。現在、ビルマにおけるタロン族はダウェさんの姉ナムセインさん(推定70歳)と妹ンヌン(年齢不明)の一家3人しか残っていない。この一家がいなくなってしまうと、ビルマにおけるタロン民族は消滅してしまう】
2007年8月半ば、ビルマ(ミャンマー)の行政区の最小の地域であるカヤー州(カレンニー州)に足を踏み入れた。
それによって、現在のビルマ行政区分である7州7管区の全てを訪れた。
ちなみに、「州」は主にビルマを取り巻くタイ・中国・ラオス・インド・バングラディシュと国境を接しており、カチン州やカレン州など、主だった諸民族の名前がつけられている。
「管区」は、主に人口の多数がビルマ人が占めているとおおまかに説明されている。
ビルマはこのとき、8月15日に実施された石油燃料の値上げを発端とするデモで政治的に混乱が続き、これまで以上に取材が困難になっている。
それに、10ヶ月間、社会問題や政治的な問題だけを取材していると、さすがに息が詰まってくる。
時に、気分を変えるために、珍しいビルマを経験しようと地方を歩いてみた。
そこで出会ったのは、これまでほとんど伝えられてこなかったこの国の民族の多様性だった。
今回はそんな人びとの一部を写真で紹介してみたい。
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