リ・ジュン：もしその工場に行くとしたら、韓国人の下で仕事をするわけです。それは、戦争をやるかもしれない相手の韓国人の下で働くことですよね。
それでも金をくれるなら南朝鮮人の下で働きたいですか？
チン：今はあまりにも暮らしがしんどいから、民衆は戦争しようと言うわけでしょう？
しかし、韓国の米を食べたからといって思想が変わるか？ 韓国の服を、米国の服を着たといって、人が、主体思想が変わりますか？
これは変わりませんよ。俺は朝鮮人だって意識を持ってたら（注3）。
でも、（国家は）「おい！ 韓国製品なんか着るんじゃない、それはダメだ！ 思想が悪くなって人間が腐る」って教育するわけなんです。
（つづく）
注１ 非武装地帯まで一〇kmほどの古都・開城に、南側が資本と技術を、北側が土地と労働力を提供して工業団地を作ることで、北政府と現代グループが二〇〇〇年に合意。
二〇〇七年末現在、韓国企業四〇数社が進出し、約二万人の北朝鮮労働者が働き、道路・鉄道が通されるなど、金大中―盧武鉉政権の南北協力のシンボルだったが、進出企業のほとんどは赤字に悩んでいる
注２ 一九九四年のジュネーブ基本合意によって、核開発凍結の見返りとして、咸鏡南道新浦郡に軽水炉の原発が建設・提供されることになった。
一九九七年八月に着工したが、朝鮮が秘密裏にウラン濃縮しているとして、米国ブッシュ政権は二〇〇三年一二月に中断を決定。一五億ドル余りが投入された新浦の原発建設計画は水泡に帰した。
注３ チン氏は、興奮して無意識のうちに心の中にある危険な本音を吐き出してしまったようだ。
このようにうっかり言ってしまった言葉は取り消すことができないので、朝鮮の住民たちは会話の中で「安全装置」を施して、後日問題視された場合の抜け穴を作る。
ここでの「主体思想は変わらない」というような表現手法をたびたび使う。次の5日へ
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