07年「市場抑制」はいったい何を意味するのか 6 リュウ・ギョンウォン
今回の抑制措置の特色は、韓国に傾く民心の遮断
前回まで、朝鮮における市場の変遷について見ることで、「市場抑制」の正体に簡単に言及した。
それでは、二〇〇七年一〇月の「市場抑制」は、単に特権層の経済的な目的のための操作なのか?
そうではないだろう。約五年周期で繰り返されてきた「市場抑制」措置にも、その度ごとにそれなりの「正当性」の看板が掲げられてきた。
九〇年代中盤には「首領死亡三年葬」、二〇〇二年には「タダをなくして代わりに実利を打ち出し社会主義を守る」が、看板の文句であったことは先に触れた。
ところで今回の「市場抑制」の看板の特色は、驚くべきことに、その理由として韓国を直接挙げている点だ。
その原因をあえて推測するならば、九五年以後の経済破綻によって、南北関係が軍事的対決から経済協力関係へと自ずと転換したところにあるのではないか。
軍事的対決は水と油のように分離してこそ成立するのだが、経済的協力は好きであれ嫌いであれ油濁状態で混ざりあってこそ成立する。
結果、北では、民衆はもちろん、中間あるいは一部高位級に至るまで思想的に「南朝鮮に対して武装解除」してしまった状態なのだ。彼らにとって韓国はすでに敵ではない。
次のページへ ...
1 2