抑制された市場の現況
シム:そうですよ。ジャンマダンはとてもうまく行っていたのに、やはり上の連中は、それを放って置かないんだな。
チョン・ジェピル:この九月末から一〇、一一月と、(公設の)総合市場を閉鎖したりはしていないけれどうるさくなっている。
「広がり過ぎだ。商売は大きくやらずに節度持ってしろ」という内閣決定が下ったんだ。
四〇歳より下の女性は市場に出て来られなくした。だから市場に出て商売できるのは四〇歳以上になってしまった。これまで市場には若い女がたくさん出ていたのに……。

クァク:私たちは中央党指示文だと聞いているよ。
私たちの所では、市場で一人当たり一五個までしか商品を出せないようにしています。靴も一五足、服も一五着まで。
そして、ここひと月の間にまた厳しくなって、四〇歳から商売OKだったのが、今度は四九歳以上に引き上げられた。つまり四八歳以下は商売ダメだとなった。

それで今では、長い一〇〇メートルほどの売り場に一〇人程しか座っていなんです。しかも、皆、老人なんですよ。皆、五〇歳を越えた年寄りばっかりが座っている。
私なんか、若者たちが商売できないのが気の毒になって、ジャンマダン回って客を彼らのところに連れていってあげることもあります。

シム:紙をこんな風に掲げて?(紙に商品名を書いて客寄せする仕草のこと)
チョン:そう……、私の品が安いから気に入って客が寄ってきたら家に連れて行く。その場で糾察隊に引っ掛かったら、品物は没収された上に罰金を払うことになるじゃないですか。
まったく。このひと月半で指示が二回も変わったんですよ。これからどうなることやら……。
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