シム：年齢制限が二回も引き上げられたわけですね？
クァク：そう。以前にもありましたよ。昨年だったか一昨年だったか、ひと月に布告が二回下りてきたことがありました。
チョン：そうだ。あれは「電気線、電話線を切って売りさばく者は処罰するという布告」、それから「食糧を商売するなという布告」。
シム：老人たちだけで商売しろなんて、それでうまくいくもんかな？
クァク：無理ですよ。若い人がいないから売場はがら空きですよ。
水産物も干からびたイカを平気で売ってる。それもイカを一匹、ザリガニ一匹、そんな具合なんです。
それで、若い連中は、品物は家に置いておいて、客が買おうかと迷っているところに近づいていって、まともなものを買いたいならうちにいらっしゃいと、そうやって売ってるんですよ。外の売り場では品物出せないから。
（つづく）
注１ ジャンマダンの由来については「北朝鮮経済官僚極秘インタビュー６」の注を参照のこと。ジャンマダンは要するに市場のことなのだが、この会話の中では、市場＝公設の総合市場、ジャンマダン＝非合法のものも含めたもう少し広い意味で使っている。
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