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APN_ogura_080704_1ネパールが共和制になった日
2008年5月28日、ネパールは正式に共和制になった。ゴルカのシャハ家のプリティビ・ナラヤン・シャハがカトマンズを征服して、統一ネパールの初代国王となってから240年。このヒマラヤの国は、制憲議会選挙という平和的プロセスをもって、王制から共和制に完全に移行したのである。

思えば、2001年6月1日に起こったナラヤンヒティ王宮事件が、ネパール王制の終えんの始まりだった。この事件で、当時のビレンドラ国王一家全員が亡くなり、不自然な形で新国王となったギャネンドラが最後の国王となった。王宮事件の真相は今も闇の中だが、ネパール国民の多くは今も、故ビレンドラ国王の弟ギャネンドラが事件の背後にいたのではないかと疑っている。

ネパールでは、占星術が生活や政治と深いかかわりを持っているが、2001年の王宮事件を予測した著名な占星術師に数年前に会いにいったとき、師が話していた言葉を思い出す。

「占星術では、国の一生は120年単位で考える。国の運命も人間と同じ、寿命(一生)が終わったら生まれ変わる。つまり、ネパールが誕生してから二回りたつ240年後に、この国は生まれ変わるだろう」
この占星術師の予測通り、ネパールは王国となってから240年の後に共和国へと生まれ変わった。1993年から今まで、ずっとネパールに住んできた私は、この生まれ変わりの様子をこの国の内側からじっくりと観ることができた。

それを記したら、1冊の本になるほどの話を書かねばならないが、ここでは、ネパールが共和制になった歴史的な日の話しを書いておこうと思う。
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