マオイストの女性組織のトップでロルパ郡選出の議員ジャヤプリ・ガルティ、バルディヤ郡で統一共産党の幹部バムデブ・ガウタムを負かして当選した若いマオイストの女性議員サララ・レグミ。女性がかたまるのはマオイストも同じようで、女性議員ばかり7,8人が一緒にお茶を飲んでいるところに混じって話をした。

この日だけで30人以上の知り合いの議員と話をした。結局、終日待つことになったが、まったく飽きることなく、彼らとのおしゃべりを楽しんで過ごした。そのなかの一人に、性的マイノリティーとして初めて比例代表の議員に選出されたスニル・パンタがいた。スニルはブルー・ダイヤモンド・ソサイアティという性的マイノリティのNGOを立ち上げ、ネパール社会で孤立していた何千人という性的マイノリティの人たちを救ってきた男性である。

昨年は、スニルが中心になって、最高裁で第三の性をもつ人たちに平等の権利を与えるべきと求める訴訟を起こし、勝訴して世界的な注目を集めた。スニルは、ネパール共産党Unitedの比例代表議員5人の1人として選出されていた。

スニルが、彼と同じ政党の女性議員を紹介してくれた。マデシのなかでも最低カーストに属するダリットの女性議員だった。夫とともに長年、床屋を生業として生きてきたという。今回の制憲議会には、これまでの政治の世界では考えられないような人たちが議員になってきていた。とくに議員全体の33%を占める女性議員の多様さは特筆すべきものがある。ネパールでは最も遅れた少数民族として知られるチェパン人の女性から、元首相の夫人まで、実にバラエティに富んだ顔ぶれである。
つづく
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