なかなか始まらない制憲議会
制憲議会は午後3時になっても、まったく始まる気配がなかった。統一共産党の元大臣プラディプ・ギャワリに聞くと、大統領と首相職に関して、主要3政党(マオイスト、ネパール会議派、統一共産党)のあいだで意見が食い違い、今も会議が継続しているために議会が遅れているのだという。
マオイストは制憲議会で新憲法が制定される2年のあいだ、大統領をおかずに首相が国家元首を務めるべきだと主張。しかし、ネパール会議派と統一共産党は、国軍の指揮権と非常事態宣言の発令権をもつ大統領を国家元首とすべきと主張していた。この問題を解決しないかぎり、制憲議会を開始することができず、そのために議会の開催が遅れていたのだった。
午後3時すぎ、今度は「議会の開催が午後6時に延期」という知らせがあった。再び、会場の外に行くと、会議場を包囲するデモ隊が入り口のほうに向かって迫っており、警官隊との衝突が始まった。デモ隊のシュプレヒコールをあげる声が聞こえてくる。お茶を飲みに、会議場の敷地内に設置されたキャンティーンに行くと、再び、大勢の知り合いに会った。
次のページへ ...
1 2