シム:どっちみち長続きしないようなふらふらした政策だったら、それは確かに「おばけのやりかた」ですよね。
チョン:庶民をやたらといじめてばかりだ。
あちこちにジャンマダンが立てられて、何かをちょっと売った金を生活の足しにすれば、暮らしも少しはましになるのにな。物が欲しくて買おうという人にもいいし、売る人にとってもいい。互いにとって良いことなのに、しょっちゅう商売できなくする。
もし商売禁止にするんなら、ずっとそうしてみたらいい。こんな風に商売するなと取り締まっておいて、遅れている配給を出すつもりかというと、そんな気はさらさらないんだから。
またひと月ぐらいしたら元に戻るしかないよ。これが「おばけのやりかた」でなくて何なのだ。
市場は国にも利益
シム:ジャンマダンは国家にとっても収入になるのに。
クァク:多いはずですよ。
平壌では市場管理員一人が一日市場を回って徴収するお金が三万ウォンだそうです。管理員が一〇人ならいくらになりますか? それを国家に何%納めるのか知りませんが、どうせ自分の懐にも少しは入れるんでしょ。
市場の入口には門衛の警備を立てて、自転車に乗ったまま市場の中に入れないようにしている。
知り合いに警備のおじさんがいるんですが、昔私と同じ職場に通っていた人で総合市場の警備員になった。だから私には、自転車でそのまま中に入れてくれるんですが、他の人たちからは、自転車入れるのに金を一〇〇ウォンずつ取ってるんです。その警備の人は一日に三〇〇〇ウォン収入があるそうですよ!
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