将軍様はついに人民を捨てるのか?
シム:だから結局は、「開放しよう、〈統一〉しよう」と願うのは民衆で、「開放したら人民が言うことを聞かなくなって統制できない」という中間幹部がいるわけでしょう?
将軍様は人民を捨てて幹部たちを選ぶんでしょうか? それなら、将軍様は人民の恨みを買ってしまいかねないですよね。本当に信望が落ちて、もう政治なんてできなくなるかもしれません。
チョン:「オイ、もう自分だけ食うのはやめて、人民の面倒を少しは見ろよ」なんておおっぴらに口に出したら、大ごとになってとっ捕まるだろ。だから家で肖像画に向かって、「おい、いつまでやるつもりなんだ?」って言うんだ。(一同、笑)

シム:もし将軍様が、突然首領様のように死亡してしまったら、他の誰かが上がってきて、うまくやれるだろうか? 平和裏に、安定した社会に改革開放して、人民たちが思う存分働いて稼ぐ、そんないい時代が来るでしょうか?
クァク:もし〈大統領〉が死んでしまったら、いったい誰が上がるのか分かりませんけれど、でも内心は、(金正日が)辞めてくれたら……。

シム:まったく、将軍様が人民の側を選ばずに幹部の側を選んだとしたら、本当に大きな政治的失敗ですよね……。
クァク:首領様が生きていた時は、それでも食糧もちゃんと配給してくれてた。時が経った今の方が人民の生活はよくならなきゃいかんのに、年々、良くなるどころかひどくなってますからね。

シム:もし将軍様が、中間幹部の意見も聞きつつ、人民の意見も率直に聞いて、人民にジャンマダンをやらせたら、みんな万歳を叫ぶだろうか?
チョン:人民は喜ぶよ。首領様がやったように、人民の信頼を得て、人民の支持の中でそれをやればいい。中間幹部なんていくらでも新しい人材が出てくるよ。人民の中にも幹部の器は大勢いるんだから。人民をなくしてしまって中間幹部と将軍様だけで生きていくことなんてできないし。

クァク:ジャンマダンをやらせたら人民は本当に喜びますよ。民衆はちゃんと食べさせればいいんです。朝鮮の政治なんて単純なんだから。簡単なことなのに、なんで人民の支持を得ようと動かないんだろう?
チョン:将軍様の下で働く中間幹部の連中が、みなデタラメやってるからだ。

クァク:幹部の中には、本当の愛国者なんていない。
チョン:幹部たちはたらふく食っていい暮らしをしているからな。

シム:「将軍様はわかっていない、悪いのは幹部たちだ」という言い方する人が増えましたね。これは正しいのかな?
クァク:将軍様のことがだんだん恨めしくなりますよ。
(おわり)
取材 記者シム・ウィチョン(沈義川)
二〇〇七年一一月
(整理 チェ・ジニ)

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