「民衆はだんだん嫌になっています」6 取材 シム・ウィチョン
「将軍様一人だけが改革開放に反対」
シム:本当は朝鮮人みんなが改革開放だけを願っているのに、幹部の誰一人として、将軍様に一言も率直に言わないんだからな……。
チョン:高位層や中間の幹部たちも、改革開放すればよくなることをはっきり分かっているけど、もしやろうと言い出してうまくいかなかったら自分の首が落ちるんだから、誰もわざわざ口には出さないよ。
シム:それはつまり、将軍様一人だけが改革開放に反対だという意味ですか?
クァク:そうそう。改革開放さえやってくれたらなあ。
シム:改革開放がいいということは、今やみんなちゃんと分かっているのに口に出せない。口に出したらやられてしまう。すると、時が経つにつれて将軍様のことが……。
チョン:だんだん憎らしくなってくる、少しずつ……。
シム:とんでもない事態ですね。
チョン:そうだよ。将軍様も改革開放してしまうと、人民が自分の言うことを聞かなくなると心配してるんだろうな。
シム:だけど中国は改革開放したけれど、皆言うことをよく聞いているじゃないですか?
クァク:そうですよ。幹部も民衆も皆言うこと聞いていますよね。
シム:なぜ将軍様は、人民が自分の言うこと聞かなくなると思うんだろうか。
チョン:井の中の蛙なんだよ! 海外に出て、他の国がどう回っているのか実情もよく見て、それで政治も少し変えないといかんのに、全く変えようととしないんだから。
クァク:やっぱり親父さんほどには、政治的手腕が足りないんだろうな。
チョン:ああ、足りないということは事実だね。それは朝鮮人民が今やみんな分かっていることだ。
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