iwa02_01.jpg

harare.jpg

独り考え事をしたり、周りの人々を眺めたり。小腹が空いたときに何か口にしたり。気持ちをスイッチしたいときに使うことも多い。西アフリカのカフェには、いつも世話になっている。コートジボワールの首都アビジャン郊外にある海岸沿いの集落に泊まっていた際も、毎日足を運んでいた。
朝起きると真っ直ぐカフェテリアへ出向き、カフェオレとバゲットを注文。

中国製のガラスのコップ、もしくはナイジェリア製のプラスチックのコップにインスタントコーヒーを小匙3分の1ほど入れたところで、「練乳は何回?」と私の顔を店主は窺う。練乳のはいった1リットル缶の下では大きなカレースプーンが待っていて、黙っていると、その大さじで5回分ぐらい入れてくる。相当に甘い。練乳は一回でいいと言う私にいまひとつ納得いかない顔をしながら、店主は韓国製の魔法瓶からお湯を注ぎいれる。

バゲットは、彼の手で半分にちぎり中に切れ目を入れ、そこにマーガリンを塗って皿に出してくれる。これで大体30~40円ほど。湿気ったパンをかじりながら、今日のスケジュールを考える。

harare.jpg

朝と夕刻が客入りのピークだ。朝は、仕事前の男たちがせわしなくバゲットやオムレツを口にしている。日本の立ち食いそばのような様相。
夜のペースはゆっくりとしていて、ピークは長い。この写真のカフェで夜にコーヒーを飲んでいると、酔った女性に声をかけられた。

隣国リベリアから逃げ出してきてバーを営んでいるとのこと。アビジャンはよそ者に冷たいから嫌だと、私にぐちをこぼす。
その隣では、ラジオから流れる音楽に合わせて踊る男性。

にぎやかなばかりではない。どこに定めるともなく遠くに目の焦点を合わせながら、立派な体躯を屈め、独りオムレツをつついているような人もいる。どこか日本の牛丼店のおもむきもある。
周囲の店からこもれ入ってくる大音量の音楽が少しずつ小さくなり、波の音が聞こえるようになってくると、そろそろ閉店の時間。また明日、甘いカフェオレで一日が始まる。

★新着記事