モロッコから西サハラ、モーリタニアにかけての主要道を移動していると、このような道標が10キロメートル毎に現れる。この写真の道標は、「ヌアディブまであと692キロメートル」の意だ。ヌアディブは西サハラの南に位置するモーリタニアの町。ヌアディブに到着するまでの間、1時間に数台の車とすれ違う以外、延々とこのような景色が続く。
いっさいの人工物が周囲に見られない中、地平線の手前にぽつんぽつんと現れてくるこの道標を見ると、ほっとした気持ちになる。どこか、お地蔵さんのような存在。手書きで書かれた文字には体温すら感じた。
地中海沿岸から南へ向けて何百もの道標を通り過ぎ、砂の海を越えるとようやく、ブラックアフリカが見えてくる。