揺れるカシミール 廣瀬和司の緊急現場報告/2008/08/25

080901_APN_hirose_kashimir0.gif今日も朝から外出禁止令が出ている。市中心部のラル・チョークで数十万人規模の座り込み(ラル・チョークへ行け!)をする予定だったが、それを阻止するためだ。ラル・チョークにはバリケードが施され、誰も入ることができない。

主だったリーダーは夜中に逮捕されるか、地下に潜った。それでも、リーダーたちはラル・チョークに向かうように呼びかけていたが、昨日と同じような厳しい警備体制が敷かれていて、とても無理だ。テレビで中継のリポーターも「メディアも簡単に移動できない」と訴える。

私のホテルの前にも、見張りのCRPFの兵隊が行ったり来たりしている。自転車に乗って買い物に出た青年が見つかり、二度、三度、棒で打ち据えられていた。宿の四歳ぐらいの子供たちも、それを見た。「子供たちはCRPFが人を殴る連中だってことをもう知っているよ」と宿の主人は言う。

友人で中堅の独立派リーダーであるシャキール・バクシが少数でデモを行い、CRPFに酷く殴られて警察病院に収容されたと聞く。多勢に無勢と知りつつも戦い続けさせる、たくさんの抑圧があるからだ。

夕方になり、ニュースでバンディポーラ、クプワラ、ナルバル等で治安部隊と衝突があったと伝える。4人が死亡。特にバンディポーラが酷く、発砲で一人が死亡し200人近い負傷者が出た模様。これによって、人びとの緊張がさらに高まるため、明日も外出禁止令が解かれるのは難しくなるだろう。

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