080806_APN_haekyong_002.jpg【日流ブームはネットの影響力も大きい。日本の最新ドラマやアニメの情報を書き込むコミュニティサイトがいくつもある】

去年ヒットした韓国映画「美女は辛い」「黒い家」「覆面ダルホ」などは、日本の小説や漫画、ドラマを映画化した作品である。音楽市場も同じ傾向で、中島美嘉の「雪の華」や尾崎豊の「I Love You」 などの日本のヒット曲が次から次へと韓国語で歌われている。

日本製の文化コンテンツが、さしたる抵抗もなく、良質で新鮮なものとして韓国社会に受けいれられているのがわかる。日本に住んでいる私も知らない日本の俳優の名前やプロフィールを、すらすらと言える韓国の若者に出くわすことも珍しくない。

「日流」が定着するとともに日本を訪ねる韓国観光客も毎年増えている。日本国際観光振興機構によれば、07年1月から9月までに日本を訪問した韓国人は196万人で、同期間、韓国を訪問した日本人は164万人。観光客の数の逆転は40年ぶりのことで、両国の人口を考えると、韓国における「日流」の風の強さを認識せざるを得ない。

韓国政府が日本文化を段階的に開放すると発表してから今年でちょうど10年。竹島/
独島問題など政治的な問題をよそに、文化の面では着実に相互の浸透がすすんでいる。
文化という爽風が、韓国と日本のどちらにもやさしく吹いて、互いの理解をより深めることにつながってほしい。そうすれば、「嫌韓流」や「反日」という言葉が古く感じられるようになるだろう。
(サンデー毎日「朝鮮半島を読む」掲載記事を加筆・修正)

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