【旧首都ラングーン(ヤンゴン)の繁華街に新しくお目見えしたビジョン。貧富の差の広がりを感じさせる】
結果的にデモは鎮圧され、民主化を求める人びとの望みは、またもや絶たれた。
国外では、軍政を倒そうとする人びとの民主化デモが強調されるが、政権が変わったわけではない。
だからこそ、デモの参加者は恐怖におののいている。
SPDCは、もちろん自らが撮影した映像も使っているが、それ以上に衛星放送で流れている映像を録画し、その参加者を割り出しているという。
国外からの取材者にとって、ビルマ軍事政権に対して民主化を求める人びとの映像や自由を求める人びとのデモ行進は「絵になる」。
だが、逮捕を怖れて困惑した友人の顔を見ると、取材者側からのみの立場でビルマを取りあげていいのかどうか迷うところである。
大規模な抗議デモが終結して3ヶ月あまり、ビルマに関するニュースは激減している。
だが、11月13日には、ティリミンガラ地区の野菜卸売市場付近で、ビラ撒きをした若者3名が逮捕されたというニュースも流れ出た。
その直後のアセアン会議では東南アジア諸国はビルマの件を取り上げることを止めた。
ビルマ問題が自らの国へ跳ね返ってくることを怖れたからである。
国連による働きかけも期待は持てないようだ。
こうやってビルマ問題は、予想通り、以前と同じ扱いになっていくようだ。
次にビルマが国際的にクローズアップされるのはいつの日か分からない。
だが、軍事政権は今も続いていることを、忘れてはならない。
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