「60年にもわたって武力を使ったインド政府によるテロリズムが続いています。町や村、至る所でカシミール人を殺しています。
そして60年たった今でも私たちは町や村、至る所で闘っています。それは市民の革命のためです。私たちは誰かに命令されているわけではないのです「」。
「各々個人の意志によって革命を成し遂げようとしているのです。神こそがその証言者であり、いまラマダンの断食で純粋な状態の私たちは神に誓うのです。
インド政府はカシミールに(助成金などの)金を送ってきますが、カシミールを売ることなどできないのです」と、ヤシン・マリク氏が語り終えると、シュプレヒコールが始まる。
「私たちの権利は?自由(アザディ)だ!」
「私たちが求めているのは?自由(アザディ)だ!」
「虐殺、拷問は?止めろ(バンドカロ)!」
「カシミールは私たちの血脈で覆われていて、カシミールは私たちのものだ!」と、次々に出てくるのだが、それがまた熱気を帯びた響きで繰り返されるのである。
人びとの独立への気持ちの本気度を改めて感じさせられ、圧倒された。
だが、そうしているのもつかの間、誰かが「CRPFだ!」というと一気に動揺が広がった。
なにもせずに放っておいても暴徒化することはないのだが、市中心部のど真ん中で集会を開くことが当局の逆鱗に触れたのだろう。警察、CRPFを動員して排除を始めた。
催涙弾が続けざまに発射され、人びとは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。逃げ遅れた男が二人のCRPFの兵士に棒で殴られていたが、私ともう一人のカメラマンが撮影を始めようとすると、すぐに止めた。そして、警官や兵士たちが四方八方に散って手薄になったところをまた集まってシュプレヒコールを繰り返す。
「別に僕たちは警察と衝突しようとしていたわけではない」
次のページへ ...