揺れるカシミール 廣瀬和司の緊急現場報告/2008/09/01

<DIValt=>hirose_080901_01.jpg

【16才の少年は、外出許可が出ていたのにもかかわらず、撃たれた】(撮影:広瀬和司)

080901_APN_hirose_kashimir0.gif
インドのジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)地方が大きく揺れている。
インド内で唯一イスラム教徒が多数を占めるジャム・カシミール州では、8月24日以来外出禁止令が出され、イスラム教徒の分離独立派指導者が拘束される事態が続いている。

ことの起こりは、州政府が6月に土地をヒンズー教団体に移譲すると発表したことである。
土地の譲渡によってイスラム教徒の居住区が分担されることになると、イスラム教徒の強い反発があり、州政府はこの決定を撤回。

しかし、今度はカシミールに聖地を持つヒンズー教徒が反発し、カシミール地区に向かう道路を封鎖し貨物トラックを襲うなどして緊張が高まり始めた。
イスラム教徒側は、かつての交易路だったパキスタン側との道路をを開放することを要求して大デモに発展、独立要求のスローガンを掲げるまでに至ったのだ。
******************************************

【スリナガル発(インド側)】
外出禁止令は、昨日からだいぶ緩和されるようになった。最初の2時間の間にデモなどが起こらなければ、少しづつ延長していく。
昨日は、11時から1時まで緩和され、その後、3時、4時と延長され、最終的には7時まで大丈夫だった。前もって知らせてしまえば、デモが起こるし、うまいやり方だと思う。

今日も朝10時から外出許可がでる。スリナガルの繁華街ラル・チョークに出かけてみたが、バリケードが築かれたままで封鎖されていた。地元の新聞社などに寄って挨拶し、友人宅へ向かう。
次のページへ ...

★新着記事