【断食が終わる夕刻に向けて、人びとは買い物に忙しい】(撮影:広瀬和司)
「でも、これで終わったわけではないだろう」というと、「そりゃそうだ、リーダーたちも釈放されたし、これからだ。とりあえず次の9月5日の金曜日(金曜日はイスラム教徒にとって安息日で、集会や抗議が午後の礼拝の後に行われることが多い)何をやるかだ」という。でも、金曜日には再び外出禁止令が施行されるだろう、という。
外出禁止令が出続けているあいだ衝突が少なかったのは、市民たち(カシミール渓谷に住む540万人の人びとで約九割がイスラム教徒。その全員がいまや独立派である)が、独立運動の方向を決めるリーダー達の連携委員会からの指示を待っていたからだそうだ。
「いいかい、連携委員会が運動をリードしているわけじゃない。市民が連携委員会に運動をリードするように要求しているんだ」という。実際、連携委員会がストライキを中止しても、市民たちの判断で続けていたこともあったという。
ラマダンが始まったが「この流れを止めたら、俺が生きている間、独立のチャンスは二度と来ないだろう」と50代の男性は言う。
7日間施行された外出禁止令の原因となった「ラル・チョークへ向かえ!」は、まだ撤回されていない。連携委員会はどんな戦略を見せてくれるのだろうか。
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