ワン:農村へは行ったことある?
ギョンエ:もちろん。毎年五月になると中学四年生以上は農村支援に行かされるんです。農村でとうもろこしを植えたりします。秋は農村支援に行くときもあれば行かないときもあります。その代わり授業の後の午後から作物の収穫をしに、近所の農場に支援に行くんです。

ワン:じゃ、生 徒たちはずっと何かしらに動員されるんだ。
ギョンエ:突撃隊(注1)ですから。それに、どこやらの道路整備に行けと言われれば、みんなで行って日曜日も休みなしで道路整備して。
それから軍事訓練もあります。毎月二八日には、こんなふうに木銃を持って軍服を着て、軍隊のリュックを背負って何時間も強行軍するんです。五、六年生だけですけど。
それと、五年生は銃を撃ちに近衛隊(民兵組織)に行きます。

ワン:君は女なのに銃を撃ったことあるの?
ギョンエ:もちろん、ありますよ。だって五年生のクラス全員が行くんですから。でも銃を撃つときは、みんな怖くて目をつぶって撃つんです。

ワン:そんなことしてたら事故が起きるよ、いつか。
ギョンエ:大丈夫、事故なんか起きませんよ。目をぎゅっとつぶってもしっかり銃を握って撃つから。そこで娯楽大会もするんです。軍隊式に何でもするんですよ。

ワン:軍隊式娯楽大会?
ギョンエ:ええ、軍隊式の娯楽大会。それに、何でも軍隊式で、起床も軍隊の時間に合わせて、あと、ご飯を食べに行くときもきちんと整列して移動するし。

ワン:動員されたときは、ご飯はいっぱい食べられるの?
ワン:前に、女子だけでどこかの農村の支援をしに行った時なんか、おかずも汁物も何もなしのご飯だけ出されたもんだから、はじめは「こんなのいらない」って言って、全員食堂から出て行ったんです。だって、何にもなしで、とうもろこしだけのご飯だったんですから。

そしたら先生たちが「あんたたち、苦難の行軍の時期のことを忘れたの? これすら食べられなかったでしょう?つべこべ言わずに、さっさと食べなさい!」って。
でも、二、三日過ぎると、とにかくお腹が減って死にそうになるんで、もう仕方なく食べましたよ。農村に行ったら我慢するしかないですよ。
(つづく)
注1 突撃隊 当局が中学生を各種の労力に駆り出す様子を比喩した言葉である。

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