ワン:教科書は足りてるの?
ギョンエ:教科書は大丈夫です。全部白い紙ですし、ちゃんとしたものです。自分が受けたい授業の分だけもらうんです(注2)。
「革命活動」は必須科目だから、教科書は嫌でもなんでも全員もらうことになってます。あと「大元帥様の幼少期」や「将軍様の幼少期」、「オモニの幼少期」なんかも必須です。「革命活動」は受けたくないなんて言うと大変なことになるから、文句を言わず黙って受けます。
でも男子は教科書をきちんと保管しないから、自分が取りたい科目だけもらって、「俺は『革命活動』はいらないから女子にあげてください」なんて言うんです。そうすると女子が全部もらって教科書にカバーをかけるんです。
なんで「女子が全部持っていけ」って言うかっていうと、本のカバーかけるだけでも結構な出費になるんです。本のカバーっていうのは、教科書の上に被せるんだけど、それをしないと先生に叱られるんです。うるさいのなんのって。
ワン:勉強したいと思った科目は?
ギョンエ:英語を受けたかったんだけど基礎がなくて.........。私は英語のクラスじゃなくて、ロシア語のクラスになっちゃったんです。あーあ......。ロシア語って使い道あるんですか?
私は体の具合がよくなくて、学校に行ったり行かなかったりしてた頃がありました。
盲腸の手術をしたんですけれど、傷口が開いてしまって。手術の後は重いものを持ったらダメなのに、うちは私しか働ける人がいないので仕事をしたのがいけなかったみたいなんです。で、傷口が開いてしまってもう一度縫ったんです。
そんなことで、勉強はしたいけど教えてくれる人がいなくて......。先生も私とは口も利きたくないって感じでした。
(つづく)
注1 金日成、金正日の革命の歴史や思想について学ぶ科目。
注2 数年前までは紙不足で教科書は満足に供給されておらず、市場で買うのが当たり前だった。最近ではある程度、供給されているようだが詳細は不明。
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