朝鮮の全てのジャンマダンは、中国製品に席巻されているような状態だ。清津の水南(スナム)市場の雑貨売り場で、撮影者のリ・ジュンが中国の薬品を手に取っている。(2004年7月撮影)
朝鮮の全てのジャンマダンは、中国製品に席巻されているような状態だ。清津の水南(スナム)市場の雑貨売り場で、撮影者のリ・ジュンが中国の薬品を手に取っている。(2004年7月撮影)

 

我が国の経済動向 14
朝鮮経済における中国と韓国の存在感
リュウ・ギョンウォン:それでも、党や軍部の「社会主義朝鮮を命をかけて守ろう」というような機運は昔のままのようにも見えるが?
ケ・ミョンビン:内部状況は全く違う。

歴史が語っているように、超大国の影響圏にあった朝鮮は、自分の運命に責任を持つという自覚がなかったせいで、国をまともに自力で運営したためしがない。我が国の企業やジャンマダンの中には、すでに中国が入って来てでんと座っているし、その後ろに韓国がぴたりとついてきている。
いったいこの現実が「主体確立」を張り裂けんばかりに叫んだ党が望んだ結果なのか? 国家に何も言わずただ付き従ってきた人民が望んだ結果なのか? いや、私の考えでは、この状況は、九〇年代の政治の不安定がもたらした事態を、諸外国が利用したに過ぎない。

我が国の保守的な上層の人々はこんな言い方をしている。胡錦濤は朝鮮に対して「中国のように開放しなさい、自由市場を作りなさい」と直接的政治圧力をかけながらも、毛沢東のように大国主義はやらないはずだと。

だが、大安(テアン)中朝親善ガラス工場を作って寄贈したが、援助してそれを宣伝するこういった動きの中に、中国の対外的な戦略がないとは言えないはずだ。確かに、国家の指導者が表に出てきてあらゆる問題にいちいち干渉し、自分の威信をかえって低める朝鮮式の指導者のやり方は、今では中国もやらないだろうが。

中国は大国だ。朝鮮が改革しない状態で開城(ケソン)工団のような制限的経済特区を作っていることに、中国はあまり心を動かさないだろう。また、多くの中国の小売商たちが朝鮮に出入りして事業をやっているが、中国は国としてあまり大きな意味を感じていないのではないか。
中国が何よりも重要なこととして狙っているのは、茂山(ムサン)鉄鉱山をまるごと買うなどの、大国的なやり方だろう。中国は今、朝鮮の漁場、山林、鉱山、炭鉱、港湾のような資源や、開発関連の長期的利権を、深いところから掌握する方向に続々と動いている。

それに比べて韓国は、韓国らしく開城工団のような加工工業を優先的に見る気質をはっきりと見せている。
改革と言う言葉は使わないながらも、現実的には中国と韓国がすでに朝鮮を経済的に分割統制し始めている。このような先行過程があって、朝鮮の改革の動きには、中国と韓国に引っ張られている部分が垣間見える。このような現実の有様は、中国、韓国との窓口を独占してきた我が国の権力者たちの「努力」の結果でもある。二〇世紀の始めならば、こんな行為をすれば「売国奴」と罵られていたはずだ。
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