値段を決めるのは何か? まず、交通の便利さだ。ジャンマダン(市場)との距離や商売に便利な場所かどうか、駅からの距離などだ。水道や電力供給の良しあしも価格を左右する。次に建物の質、内部の構造、畑の大きさ(庭のある平屋が人気がある)、人民班の住民構成なども評価基準に入る。
もちろん、価格は国家が決めるのではなく、市場の法則によって決まる。その市場価格を基準にして、住宅を売りたい者と、入舎証を買おうとする者の二者間で、実際の売買価格が合意されて決まるのだ。

そこでは、市場で野菜を売り買いする時とまったく同じように、値切ったり条件を加えたりという価格の交渉が行われる。
価格合意とともに、二者の間では国家住宅使用権の移動に関して、法的手続きを通して責任分担が行われる。
この問題がとても重要だ。闇の住宅売買を法的な「所有主」である国家が認めるわけがないからだ。

もう少し具体的に言うと、現制度の下で、販売者は国家住宅を「手放す」ことになるが(ただし、ほとんどの住民は、住宅販売者が自分の所有物を失うのではないというような、漠然とした考えをいまだ持っている)、購入者は個人の金を支払ってそれを買うので、法的にひっかかると不利な立場に置かれる。
販売者は自分の物ではない国家住宅を売ろうと交渉するのだが、購入者は国家の金ではなく、自分個人の金を支払わなければならない、つまり、住宅供給制とジャンマダン制(市場)が入り混じった無秩序の世界だから、購入者は販売者よりも常に毅然と、注意深く取引に臨まなければならない。

購入者は、販売者に対して義務を課さなければならない。販売者が詐欺師でないのか、売る品物たる家が本当にまともな家なのか、誰が保証できるのか、そのような不安が常に付きまとう。そのため、購入者は販売者からきちんと担保をもらおうとする。

また、後になって国家が取引に絶対にクレームを付けてこないよう、保証してもらわなければならない(つまり、裏の処理をきちんとしてもらう)。
自分の金で家を買おうとする者は、必要だと考えられる要求や条件は、すべて販売者に突き付けるものだ。

このような過程で熾烈な闘いが繰り広げられるので、販売者は購入者が家に入って安心して暮らすことができるように、役所との関係などでもめても、後始末をちゃんとしてやるのだ。こうして国家住宅を売買する闇市場は、どんどん拡大してきたのだ。
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