「上流の水がきれいでこそ下流の水も清く澄む」とは、最近朝鮮でしばしば庶民の口に上ることわざだ。最高指導部とその周辺の特権層の腐敗はすでに70 年代から始まっており、今日、社会に蔓延している拝金主義による腐敗の源流はそこにあるといえる。(わが民族同士H Pより)
「上流の水がきれいでこそ下流の水も清く澄む」とは、最近朝鮮でしばしば庶民の口に上ることわざだ。最高指導部とその周辺の特権層の腐敗はすでに70 年代から始まっており、今日、社会に蔓延している拝金主義による腐敗の源流はそこにあるといえる。(わが民族同士H Pより)

 

その二 女性の「競売」
◆金を産むサウナ
元山でも公開処刑が行われた。二〇〇七年の夏、銭湯を経営していた二名の男女が当局の「非社会主義闘争」の対象となって銃殺されたのだ。
ふたりが経営していた銭湯では、客が来ると女性奉仕員たちの写真を見せ、気に入った女性を指名するシステムになっていた。

つまり、銭湯にサウナを併設し、幹部や金持ち専門の特別なセックス奉仕を行っていたのである。客が写真を見て「この女を呼んでくれ」と言うと、すぐに連れて来るというしくみだったという。
その中にはなかなか器量の良い女が何人かいたが、彼女らを巡っていつも「競売」が起きた。サウナに来た金持ちの幹部達が競い合うのだ。
「俺は○○ウォン出すぞ」
「こっちは○○ウォンだ」
北朝鮮では、このような女性の性的サービスは厳禁なので、初めは銭湯の営業に隠れてこそこそやっていたが、噂が広がり人気が出てきて、濡れ手に粟のごとくがっぽり儲かりはじめた。

しかし、それが「非社グルパ」の耳に入り、結局、二人は逮捕・処刑されたのだった。処刑されたふたりの罪状は女性を「競売」にかけたというものだ。
※補注 朝鮮で銭湯の個人経営が許されているわけではない。既存の国営企業や協同組合に金を入れて看板を借り受け、それら企業の傘下の営業体とする。厳密にいえば違法行為なのだろうが、今の朝鮮では、金があれば大概のことは通るのである。

都市ごとにこうしたサウナ付きの銭湯が登場しているが、モデルになっているのは中国のサウナ付銭湯である。大風呂の他に家族風呂や夫婦風呂などがあり、夫婦風呂はさしずめ「連れ込み旅館」のような役割を果たしているという。

◆横行する「売春」
現在、北朝鮮の新義州(シニジュ)や平城(ピョンソン)、南浦(ナンポ)などの都市部にあるデラックスな銭湯では、金さえ出せば女と寝ることができる。
だが、売春が行われるのは銭湯だけではない。夜、幹部の車が通る道路の脇に女達が立ち並び、懐中電灯で合図するといった形のものもある。駅やジャンマダン近くでは、主に軍の将校たちに女たちがこう声をかける。
「お買いものですか?」
「うん、○○を買いにね」
「じゃあ、私もご一緒するわ」
こうして客を仕事場として準備してある民家へと連れて行く。酒を飲ませて一回寝るのに一万ウォン、というのは、北朝鮮の都市ではすでに「公然の秘密」である。
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