二〇〇八年二月下旬、米国のニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団が、初めて平壌を訪れコンサートを催したことは、まだ読者の皆さんの記憶に新しいのではないだろうか。
リムジンガン編集部のリム・グノは、貿易のため中国を訪れた平壌居住者のBさんと会いニューヨーク・フィルの平壌公演に対する平壌市民の反応を取材した。
歓迎準備でへとへとになりました
リム:米国の何とかフィルハーモニーが公演に行ったでしょ?
B:ええ、今日から公演のはずです。
リム:平壌では何だか凄い準備をしてるらしいですが、一般の住民の反応はどうですか?
B:いや参りましたよ。平壌に来るからって、一ヶ月前から毎日掃除ばっかりさせられて。
リム:あれは、東平壌の何とか劇場でやるって言ってましたね。
B:そこを綺麗に塗装しなおして、それから拭き掃除も一日に二回ずつして。
リム:この寒いなかをですか?
B:そうです。ブラシで道路も綺麗に拭くんです、みんなで!
リム:何もわざわざ、こんなに寒いときに行かなくてもいいのに。
B:毎日掃除に行って水で道を洗うんです。水もまともに出るんならいいけれど、アパートの水が出ないもんだから、大同江(デドンガン)の水を毎日汲んでしましたよ。アハハハ。
リム:まったく、米国人のせいでえらい目にあいましたね。
B:そう、奴らのせいで下々の者は大変だったんだから。われわれには何のいいこともないのに。
おまけにジャンマダン(市場)も閉じてしまったんですよ。ジャンマダンが開かないと、みんなどこで野菜を買えばいいんだって、困ってますよ。来ない方が良かったのに。
リム:米国人を歓迎するのに、なぜジャンマダンを閉じるんですか?
B:歓迎じゃなくて、米国の人たちに私たち庶民の姿が見られたら格好悪いから、恥ずかしいからなんですよ。だからジャンマダンも開けなくしたんですよ。
盧武鉉(ロ・ムヒョン)大統領が来たときもジャンマダンが閉じられてしまって、どれほど不満が高まったことか。そんなこと盧武鉉は知ってんのかね。
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